化学合成油と鉱物油は原料からして異なっている!?

いまから15年前、クルマ雑誌のエンジンオイルの特集記事のなかで、化学合成油は鉱物油に化学変化を起こして製造しているという説明が書かれているものがあるが、いまではこれはあきらかに誤りである。

【化学合成油にも鉱物油にもピンからキリまでさまざま】
56 .57ページや82 .83ぺ‐シのところで説明するが、現場のオイル開発エンジエアに聞くと最新の化学合成油はナフサやエチレンを原料に製造されている。だから、ひとむかし前にクルマ雑誌に書かれていたような、鉱物油をもとに化学的な製法により化学合成油をつくるということは、現在ではまったくないそうだ.つまり化学合成油と鉱物油は、別物として考えたほうがよい。

とはいっても、化学合成油でも抜きんでてすぐれたものとまあまあなもの、鉱物油でもチープなものから化学合成油と大差ない能力をもったものもあるため、 一概にどちらがエンジンオイルとしてすぐれているか、判断がつけにくい。ちなみに最近では、化学合成油ベースのエンジンオイルで、安いものあれば4L缶で5000円程で購入可能。通常4L缶で7000~8000円くらいが標準的な価格帯だ。

一方、鉱物油の安いものであれば4L980円で購人できるが、超高級鉱物油ベースのエンジンオイルには、4L缶で1万円以上というものもある。

【ベースオイルの種類だけで判断すると失敗することも】

ひとむかし前までは、化学合成油は偉くて、鉱物油は庶民のオイルというようなイメージがあった。だが最近ではわざわざ質の高い原産地の原油で精製して、鉱物油ベースオイルにしたものを日本でエンジンオイルにして販売するところもある。またドイツのフックスやアメリカのペンブイル、イタリアのアジップなどの部分合成油を商社や輸入専門ショップが輸人して、インターネットや独自のルートで販売するケースも増えてきている。

なぜなら、以前にくらべてクルマ好きユーザーがよリマニアックになり、できるだけ自分のクルマの生産国にあわせて、その国のオイルメーカーのオイルを欲しがるようになってきたかるだ。もちろん、そのオイルにこだわること、つまリクルマの生産国のオイル、またはその自動車メーカーが推奨しているオイルを使うことで、 一般に市販されているオイルよりも、そのクルマの性格を引き出せることも多々ある。

またクルマによっては、化学合成油を入れるとゴムパッキンが傷んでオイルもれを引き起こしたり、浸透性がいいばっかりに油膜でクリアランスを調整することができなくなるなどのトラブルが発生することがある。だから単純に、化学合成油か鉱物油かという基準でオイルを選ぶのは危険である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です